オオカミ男達がうさぎとワルツを踊りたがっているとの噂を聞いて胸が騒ぎ出した。
今宵はクレイジーで刺激的な夜になるだろう・・・と
男は自慢のオートクチュールに身を包みいつものBARへと足を運んだ。
小粋でジャジーなリズムとステップが街の喧噪に溶けていく
夜のカリスマ達が集う店の扉を開けたその刹那
『めんめの赤いウサギちゃん』
ほのぐらい店内に揺らぐ蝋燭の灯りで映し出された見慣れない光景。
マリリンモンローが歯ぎしりしだす様なセクシーなプロポーション
男の愛飲の葉巻『Sweet Cherry』の匂いに敏感だったんだろう。
店の前にたむろしてたハイエナ達は逃げ出した。
きっと薬莢の匂いとでも勘違いしたのだろう。
いつものドライマティーニを一舐めし
ツキをも操れる男の熟考された決めセリフはしたたか
『今宵はスペシャルな夜らしい・・月が退屈する前に1曲踊りませんか?』
するとウサギちゃんはグラス片手に最高のはにかんだ笑顔でこう言った
『ごめんなさい。私喫煙者が苦手なの。。』
店を出た男の胸にフィヨルドの風が吹き荒れた。
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